2018年 P2Pファイル共有ソフトウェア利用状況調査結果 1/2

ネットエージェント
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2018年P2P利用状況調査結果

2018年5月ネットエージェント調べ

P2Pファイル共有ソフトウェアは未だ利用者あり!
発売直後の新しい著作物の共有も確認!

ネットエージェントは、2002年よりPeer to Peer(以下P2P)ファイル共有ソフトウェアの研究を行っており、利用状況に関する調査を公開しています。昨今ではP2Pに関する報道が減少し、情報漏えいやウイルス感染の被害に関する関心が低下していますが、現実のP2Pの利用状況はそれらの状況とは異なり、依然活発に利用が継続され、さらにはユーザーが拡大している現状も確認されています。 情報漏えいや著作権侵害、不正ソフトウェアによる感染といった被害に遭わないよう、本レポートにより現状の把握と対策をご検討ください。

定期的な利用者は9万人前後と推定

ネットエージェント株式会社では、2018年のゴールデンウィーク期間における、代表的なP2Pファイル共有ソフトウェアのWinny(ウィニー)・Share(シェア)・Perfect Dark(パーフェクトダーク)それぞれの利用者数(ノード数)を調査いたしました。

計測日毎の利用者数から、現在でもおよそ9万人前後のユーザが、未だこうしたP2Pファイル共有ソフトウェアを定期的に利用しているものと推測されます。

2018年ゴールデンウィーク期間におけるP2Pファイル共有ソフトウェア利用者数(ノード数)

また、過去4年間のゴールデンウィーク期間の平均利用者数を比べると、2016年から2017年にかけて逮捕・検挙者の報道があったShareやPerfect Darkは利用者数が減少しているものの、Winny利用者に至っては2016年からやや増加していることが分かりました。ShareやPerfect Darkの利用者が逮捕・検挙者報道のないWinnyに移行した可能性も推測できますが、未だに多くの利用者がいることを確認いたしました

過去4年間のゴールデンウィーク期間におけるP2Pファイル共有ソフトウェア平均利用者数(ノード数)比較

発売して間もない著作物の活発な共有が顕著

弊社P2Pファイル共有ソフトウェアネットワーク調査システム(以後、P2P調査システム)を利用し、Winny、Share、Perfect Darkネットワーク上で共有されているファイルを調査いたしました。
今回の調査では、それぞれのネットワークの「キー情報」とよばれる公開されたファイルの、ファイル名、ファイルサイズ、ハッシュ値などの要約情報からファイル名を確認し、著作権を侵害していると思われる著作物のファイル所有者数(該当ファイル名が含まれるキー情報を持つノード数)を調査いたしました。
調査した著作物は<A(映像)>、<B(音楽)>、<C(本)>の3タイトルで、それぞれ調査時期から3週間以内に発売されたものです。

Shareでは<A(映像)><B(音楽)><C(本)>が共有されておりました。利用者数は3つのネットワークで一番少ないですが、活発に利用されているものと推測されます。また、Perfect Dark上では<C(本)>は、WinnyとShareに比べるとファイルの共有開始時期は遅いですが、一度共有されると非常に早い速度で多くの所有者が現れたことが観測され、約4日間でおよそ4000ノードに共有されたことが分かりました。

2018年ゴールデンウィーク期間における著作物タイトル別総所有者数(ノード数)

※調査期間は2018年4月26日~2018年5月8日です
※<A(映像)>、<B(音楽)>、<C(本)>は便宜上つけたものです。実際のタイトルは伏せさせていただきます
※<A(映像)>、<B(音楽)>の所有者数は、調査期間中にWinnyおよびPerfect Dark上では観測されませんでした
※調査期間中のノード数を合計したものです。同じノードが重複してカウントされている可能性があります
※ファイルを拡散しない方法で調査を行っております

2018年ゴールデンウィーク著作物タイトル<C(本)>の所有者数(ノード数)推移

※調査期間は2018年4月26日~2018年5月8日です
※<A(映像)>、<B(音楽)>、<C(本)>は便宜上つけたものです。実際のタイトルは伏せさせていただきます
※ファイルを拡散しない方法で調査を行っております

以上の調査結果より、利用者数は年々減少傾向にあるにもかかわらず、著作権を侵害していると思われるファイルが未だ多数共有されていることが分かりました。また、発売されてから間もない著作物タイトルの所有者が確認されていることから、2018年の現在でも著作物の違法な共有は活発に行われているようです。